
運用注意欄または更新情報欄
- mintsでは、利用集中時にアップロードやダウンロードの完了まで時間を要する場合があります。裁判所はmints公式サイトでは同じ操作を繰り返さず、時間を置いて確認するよう案内しています(2026年9月4日確認)。
参考:mints公式サイト
目次
はじめに
2026年(令和8年)5月21日、改正民事訴訟法・改正民事訴訟規則が施行され、民事訴訟手続が全面的にデジタル化されました。弁護士などの訴訟代理人等は、訴えの提起や準備書面等の提出を、原則としてオンラインで行う必要があります。
「mintsのアカウントは登録したものの、事務所内の運用までは整理できていない」という法律事務所もあるのではないでしょうか。
デジタル化への対応で重要なのは、mintsの操作だけではありません。誰がシステム送達の届出状況やmintsの通知・事件情報を確認するのか、送達日時と期限をどこに記録するのか、提出済みの確定版ファイルをどこに保管するのかといった、事務所内の管理体制も見直す必要があります。
この記事では、裁判所および日本弁護士連合会(日弁連)の公表資料をもとに、民事裁判のデジタル化で変わった実務と、法律事務所が整備しておきたい運用ルールを解説します。
民事裁判のデジタル化で何が変わったのか
民事裁判のデジタル化は段階的に進められてきました。ウェブ会議による期日参加などが先行して導入され、2026年5月21日の改正民訴法全面施行により、オンライン申立て、システム送達、訴訟記録の電子化、電子納付などを含む「フェーズ3」が始まりました。
主な変更点と、法律事務所側で必要になる対応を整理すると次のようになります。
下記の表は横スクロールでご確認いただけます| 主な変更点 | 法律事務所側で必要になる対応 |
|---|---|
| 訴状・準備書面等のオンライン提出 | 提出形式、ファイル名、証拠番号などの確認手順を決める |
| システム送達 | 各代理人の届出状況を確認し、通知・事件情報の確認担当者と確認頻度を決め、送達日時と期限を記録する |
| 補助者による閲覧・ダウンロード | 閲覧後の記録、担当弁護士への共有、期限登録までを一連の手順にする |
| 電子記録の閲覧 | 事件終了前に、継続して必要な資料を事務所側にも保存する |
| 裁判所システムの今後の切替 | 事件ごとに利用するシステムや申立方法を記録する |
上記の表は横スクロールでご確認いただけます
訴訟代理人等はオンライン手続が原則義務に
改正民訴法の下では、誰でも裁判所のシステムを利用して、オンラインで訴えを提起したり、準備書面等を提出したりできます。そのうえで、改正民訴法132条の11第1項に定める弁護士などの訴訟代理人等には、原則としてオンラインによる手続が義務づけられています。
義務の対象は同項に列挙された訴訟代理人等であるため、代理人のいない本人訴訟の当事者にはオンライン利用が義務づけられておらず、引き続き紙による提出も可能です。
参考:改正民訴法等で変わる民事訴訟手続の概要|裁判所
参考:民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引|裁判所(10ページ)
2026年5月20日以前に申し立てられた事件の取扱い
2026年5月20日以前に訴えが提起された事件では、引き続き紙の訴訟記録が作成されます。
ただし裁判所は、2026年5月20日以前に訴えの提起等がされ、当事者双方に委任を受けた訴訟代理人があるなど、一定の条件を満たす事件については、経過措置により、廃止前のmints規則・mints細則に基づいて書類の電子提出ができると案内しています。
同じ事務所内でも、事件の申立日や適用されるルールによって提出方法が異なるため、事件ごとに取扱いを確認する必要があります。
今回のオンライン申立ての対象外となる手続
民事執行、倒産、労働審判等の非訟手続、人事訴訟手続、家事事件手続は、2026年5月21日に始まった民事訴訟手続のオンライン申立て等の対象外です。裁判所は、これらの手続について、2028年(令和10年)6月までにオンライン申立て等の対象となる予定と案内しています。
個別の事件でどの手続が対象になるかは、最新の裁判所資料や係属裁判所の案内を確認してください。
裁判所システムは今後TreeeSへ
現在はmintsが利用されています。日弁連の公表資料によれば、2027年1月に名古屋高裁本庁および名古屋地簡裁管内(支部を含む)へ新システム「TreeeS」が先行導入されることが決まっており、2027年度中には全庁導入が予定されています。
日弁連は、TreeeS導入後は申立方法が異なる数種類の事件が同時併存するため、利用者および裁判所関係者は過誤が生じないよう注意する必要があると指摘しています。事務所側でも、事件ごとに利用システムを記録しておくことが求められます。
なお、2026年8月28日時点で、裁判所の「民事裁判手続のデジタル化」「改正民訴法等で変わる民事訴訟手続の概要」「改正民訴法等に関する参考資料」の各ページでは、TreeeSの導入時期に関する案内を確認できませんでした。記載した時期は日弁連新聞第628号に基づきます。今後の公表内容によって時期が変わる可能性があるため、最新情報をご確認ください。
TreeeSの概要、mintsとの違い、導入時期、切替時の考え方は、関連記事「mintsの次はTreeeS?違いと導入時期をわかりやすく解説」で解説しています。(※公開時に内部リンクを設定)
電子提出で押さえたい実務ルール
電子提出では、提出するファイルの形式、証拠番号、ファイル名などについてルールがあります。
書証の画像情報はPDF形式で提出します。また、枝番がある場合を除き、一つの証拠について一つのファイルで提出する必要があります。書証と電磁的記録の証拠番号は区別せず通し番号を付け、証拠データの右上にも記載します。
一度アップロードしたファイルは、当事者側で自由に削除・差し替えできません。誤ったファイルをアップロードした場合は、速やかに事件の担当部へ連絡し、消去を申し出る必要があります。
誤アップロード時の消去要件
消去の要件は、誤アップロードの内容によって異なります。別事件のファイルなど、事件と無関係であること、または誤って記録されたことが明らかな場合は、原則として申出を受け、裁判所が消去措置を講じることができます(改正民訴規則33条の5第2項)。
一方、作成途中のファイルをアップロードした場合や、証拠を「主張」のファイル種別で提出した場合などは、陳述等が未了であることに加え、当事者全員の同意があり、裁判所が消去を相当と認めることが必要です(同条第1項)。休日・夜間は裁判所による消去対応ができません。アップロードした時点で相手方当事者等が閲覧・複写できることがあるため、提出前の確認が重要です。
参考:民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引|裁判所(28〜30ページ)
参考:誤アップロードした場合の対応について|裁判所
提出前に確認したいこと
- 提出先の事件に誤りがないか
- 確定版のファイルか
- ファイル内に別事件や秘匿情報が混入していないか
- 証拠番号、ファイル名、PDF右上の表示が一致しているか
- ファイルを開き、全ページを判読できるか
- 提出後に、誰が提出日時と提出ファイルを記録するか
手数料・郵便費用の取扱い
申立手数料は、原則としてペイジーを利用して現金で納付します。また、従来は申立手数料とは別に納めていた送達のための郵便費用が申立手数料に一本化されたため、郵便費用を別途納付する必要はなくなりました。
事務所内では、書面の作成・確認だけでなく、mintsへの入力、提出ファイルの最終確認、電子納付、提出結果の記録まで含めて担当と手順を決めておく必要があります。
注意点1:システム送達の「1週間ルール」
デジタル化後の実務で特に注意したいのが、システム送達による期限の起算です。
システム送達を受ける旨の届出がある場合、裁判所が電子判決書等をmintsにアップロードすると、閲覧またはダウンロードができる旨の通知が発せられます。送達の効力は、原則として次のいずれか早い時点で発生します。
- システム上で対象書類を閲覧した時
- 対象書類をダウンロードした時
- 閲覧またはダウンロードができる旨の通知が発せられた日から1週間を経過した時
届出をしていない場合の1週間の起点
ただし、電子申立て等の義務を負う訴訟代理人等が、システム送達を受ける旨の届出をしていない場合は取扱いが異なります。改正民訴法109条の4により、通知を発することなく、閲覧またはダウンロードができる措置を取るだけでシステム送達を行うことができます。
下記の表は横スクロールでご確認いただけます| 届出の状況 | 誰も閲覧・ダウンロードしなかった場合の1週間の起点 |
|---|---|
| システム送達を受ける旨の届出がある | 閲覧・ダウンロードができる旨の通知が発せられた日 |
| 届出義務があるのに届出をしていない | 閲覧・ダウンロードができる措置が取られた日 |
共同受任では各代理人の届出が必要
共同受任の場合、mintsの入力担当者が他の共同受任者について「システム送達届出」の設定を行っても、その共同受任者自身が届出をしたことにはなりません。入力担当者以外の代理人も、事件情報に関連付けられた後、各自でシステム送達を受ける旨の届出を提出する必要があります。届出をしないままにすると、事件情報との関連付けを解除されることがあります。
そのため、「通知メールが届いていないから、送達の効力はまだ生じない」とは限りません。誰も閲覧・ダウンロードしなかった場合でも、上表の起点から1週間で送達の効力が生じます。電子判決書であれば、その時点から控訴期間が進行します。
mints上に具体的な控訴期間の末日を表示する機能はないため、送達の効力が生じた日時を確認し、事務所側で期限を計算・管理する必要があります。
参考:民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引|裁判所(13〜15ページ、18〜19ページ、35ページ)
注意点2:補助者の閲覧・ダウンロードでも送達効力が発生する
mintsアカウントに事務員を補助者アカウントとして設定している場合、補助者が電子判決書等を閲覧またはダウンロードした時点でも送達の効力が生じ、控訴期間が進行します。
そのため、「重要書類は担当弁護士が確認するまで補助者は開かない」と決めるだけでは十分ではありません。誰も開かなかった場合でも、届出がある場合は通知が発せられた日から、届出義務があるのに届出をしていない場合は閲覧可能な措置が取られた日から、それぞれ1週間を経過すれば送達の効力が生じるためです。
事務所内では、次の流れを一連の手順として定めることが重要です。
- 各代理人の届出状況を確認したうえで、mintsの通知・事件情報を指定担当者が定期的に確認する
- 閲覧・ダウンロードした日時を直ちに記録する
- 担当弁護士へ共有する
- 控訴期間などの期限を計算し、事務所側の管理方法に登録する
- 登録内容を別の担当者が確認する
mintsからの通知メールを特定のフォルダに振り分ける設定も、見落としを減らす方法の一つとして裁判所資料で紹介されています。
参考:民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引|裁判所(9ページ、19ページ、35ページ)
注意点3:mintsは事務所内の業務管理システムではない
mintsでは、事件情報や電子記録を閲覧・ダウンロードできます。一方、事務所内の担当者割当て、ToDo、内部期限、対応履歴などを管理する業務管理システムではありません。
特に次の情報は、事務所側で別途管理する必要があります。
- 各代理人のシステム送達を受ける旨の届出状況
- 誰がmintsの通知を確認したか
- 誰が、いつ書類を閲覧・ダウンロードしたか
- 送達の効力が生じた日時
- 送達日から計算した期限
- 担当弁護士への共有状況
- 次に必要な対応と担当者
- 裁判所へ提出した確定版ファイル
Excel、紙の手帳、メール、担当者の記憶などに情報が分散すると、担当者が不在の際に確認場所が増え、対応状況を把握しにくくなります。
注意点4:事件終了後はmintsとの関連付けが解除される
mintsでは、事件情報と当事者アカウントを関連付けることで、当事者が電子記録を閲覧・ダウンロードできます。
事件終了後は、この関連付けが解除され、以後の閲覧等には手数料が必要になります。データ自体が直ちに削除されるという意味ではありません。
判決書、和解調書、提出済み書面、証拠など、事務所で継続して参照する資料は、関連付けが解除される前にダウンロードし、案件単位で保管しておくことが重要です。控訴が提起された場合には、事件確定日前に関連付けが解除されることもあるため、電子判決書等は判決後速やかに保存しておくことが考えられます。
参考:民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引|裁判所(36ページ)
デジタル化を業務改善の機会に変える
民事裁判のデジタル化に対応するには、提出方法だけでなく、事務所内の確認・共有・期限管理の流れも見直す必要があります。
この機会に仕組み化しておきたい業務は、次の5点です。
- システム送達の届出状況と、mintsの通知・事件情報の確認担当者および確認頻度の設定
- 送達日時、期日、期限の一元管理
- 案件ごとの対応履歴とToDoの共有
- 提出済みファイルの保存場所と命名ルールの統一
- 補助者を含めた操作範囲、報告先、確認手順の文書化
また、弁護士情報セキュリティ規程や関連ガイドラインを踏まえ、アカウント管理、アクセス制限、操作履歴、外部サービスの利用ルールなども併せて確認する必要があります。
義務化対応、情報セキュリティ対策、業務改善を別々に進めるのではなく、一つの業務フローとして整理すると、日常的に運用しやすくなります。
東京弁護士会も、民事裁判手続のオンライン化を踏まえ、法律事務所に求められるパスワード管理やソフトウェア更新、クラウドサービスの安全な利用など、12項目のセキュリティ対策を整理しています。
参考:東京弁護士会「フェーズ3時代の到来―弁護士が知っておくべきサイバーセキュリティの12のポイント」(LIBRA 2026年9月号)
事務所側の管理を仕組み化する選択肢としてのArmana
法律事務所向けクラウド業務管理システム「Armana」では、裁判所システムとは別に、事件、期日、期限、担当者、対応履歴、関連資料などを案件単位で管理できます。
ArmanaがmintsやTreeeSを代替したり、裁判所からの通知を自動的に取得したりするものではありません。裁判所への提出・受取は各裁判所システムで行い、その結果や次の対応を事務所側で管理するために利用します。
期日・期限の管理
訴訟管理機能では、訴訟、調停、審判などを案件に紐づけ、事件ごとに期日を登録できます。登録された期日は一覧で確認でき、担当者による絞り込みも可能です。
また、案件のToDoには期限と担当者を登録でき、ToDo一覧やスケジューラ上で確認できます。たとえば、mintsで送達を確認した後に、控訴期限の確認、担当弁護士への共有、依頼者への連絡などをToDoとして登録できます。
※mintsの通知を自動検知する機能ではありません。送達日時や期限は、事務所側で確認・登録する必要があります。
対応状況の共有
案件ごとのログには、電話、郵送、FAX、メールなどの対応履歴を時系列で記録できます。ログには未読・既読が表示されるため、関係者が情報を確認したかを把握できます。
ToDoやワークフローと組み合わせることで、「誰が、何を、いつまでに対応するか」を共有しやすくなります。案件ごとの変更履歴では、「いつ、誰が、どこを変更したか」を確認できます。
提出済みファイルの保管
裁判所に提出した確定版PDFなどを、案件の関連資料として保存できます。mintsとの関連付けが解除された後も事務所内で確認する必要がある資料を、案件単位で整理できます。
また、裁判所システムとは別に資料を管理しておくことで、TreeeSへの切替後も、事務所側で過去の提出資料を確認しやすくなります。
権限管理とセキュリティ
案件を個人案件として登録すると、担当者と管理権限者以外は案件の詳細を閲覧できなくなります。運営会社はISO/IEC 27001およびISO/IEC 27017の認証を取得しています。
ただし、業務管理システムを導入するだけで期限徒過や情報漏えいを防げるわけではありません。通知の確認、期限登録、ダブルチェック、アカウント管理などの事務所内ルールと組み合わせて運用することが重要です。
事務所内の運用チェックリスト
- mintsの通知・事件情報を確認する担当者と確認頻度が決まっているか
- 共同受任する代理人全員について、事件情報への関連付けとシステム送達を受ける旨の届出が完了しているか
- 補助者が電子判決書等を閲覧した場合の報告手順が決まっているか
- 閲覧・ダウンロード日時と送達日時を記録する場所が決まっているか
- 送達日から起算する期限を計算し、別の担当者が確認する手順があるか
- 提出前に事件、ファイル、秘匿情報、証拠番号を確認しているか
- 提出済みの確定版ファイルを案件単位で保存しているか
- 事件終了前にダウンロードすべき資料を確認しているか
- 各事件でmints、TreeeS、その他のどの申立方法を使うか記録できるか
- 補助者の操作範囲と責任分担が文書化されているか
- 利用する業務管理システムの権限、ログ、バックアップ、サポート体制を確認したか
よくある質問
Q1. 民事裁判のオンライン手続はいつから義務化されましたか?
2026年5月21日に施行された改正民事訴訟法・改正民事訴訟規則により、弁護士などの訴訟代理人等(改正民訴法132条の11第1項)には、原則としてオンラインによる申立て・書類提出が義務づけられました。代理人のいない本人訴訟の当事者には、オンライン利用は義務づけられていません。
Q2. 2026年5月20日以前に申し立てられた事件でもmintsを使えますか?
旧法が適用される事件では紙の訴訟記録が作成されます。ただし裁判所は、2026年5月20日以前に訴えの提起等がされ、当事者双方に委任を受けた訴訟代理人があるなど一定の条件を満たす事件については、経過措置により、廃止前のmints規則・mints細則に基づいて書類の電子提出ができると案内しています。
Q3. 複数の書証を一つのPDFにまとめて提出できますか?
原則として、枝番がある場合を除き、一つの証拠について一つのファイルで提出します。提出できるファイル形式にも制限があるため、最新の裁判所資料とmints操作マニュアルを確認してください。
Q4. システム送達の効力はいつ発生しますか?
システム送達を受ける旨の届出がある場合、対象書類を閲覧した時、ダウンロードした時、または閲覧等ができる旨の通知が発せられた日から1週間を経過した時のうち、最も早い時点で効力が生じます。
一方、届出義務がある訴訟代理人等が届出をしていない場合は、対象書類を閲覧した時、ダウンロードした時、または通知が発せられなくても閲覧・ダウンロードができる措置が取られた日から1週間を経過した時のうち、最も早い時点で効力が生じます。共同受任の場合は、各代理人が個別に届出を済ませているか確認が必要です。
Q5. 事務員が電子判決書を開いた場合も送達の効力が生じますか?
はい。補助者アカウントで電子判決書等を閲覧・ダウンロードした場合も、その時点で送達の効力が生じ、控訴期間が進行します。閲覧日時の記録、担当弁護士への共有、期限登録までを所内手順として定めておくことが重要です。
Q6. 誤って提出したファイルを自分で削除・差し替えできますか?
当事者側で自由に削除・差し替えることはできません。誤アップロードした場合は、速やかに事件の担当部へ連絡して消去を申し出る必要があります。
別事件のファイルなど、事件と無関係または誤記録であることが明らかな場合は、原則として申出を受け、裁判所が消去措置を講じることができます。一方、作成途中のファイルやファイル種別の誤りなどは、陳述等が未了であることに加え、当事者全員の同意と裁判所の判断が必要です。休日・夜間は裁判所による消去対応ができないため、提出前の確認が重要です。
Q7. 申立手数料はどのように納付しますか?
申立手数料は、原則としてペイジーを利用して現金で納付します。郵便費用は申立手数料に一本化され、別途納付する必要はなくなりました。
Q8. mintsで事務所内の期限やToDoを管理できますか?
mintsでは事件情報や電子記録を確認できますが、事務所内の担当者、ToDo、内部期限、対応履歴などを管理する業務管理システムではありません。これらは事務所側で別途管理する必要があります。
Q9. 事件終了後もmints上の記録を閲覧できますか?
事件終了後は、事件情報と当事者アカウントとの関連付けが解除され、以後の閲覧等には手数料が必要になります。データが直ちに削除されるという意味ではありません。継続して利用する資料は、関連付けが解除される前にダウンロードし、事務所側でも保管しておきましょう。
まとめ
2026年5月21日に始まった民事裁判の全面デジタル化により、弁護士などの訴訟代理人等には、原則としてオンラインによる申立て・書類提出が義務づけられました。
実務上特に注意したいのは、システム送達です。届出がある場合、電子判決書等は、閲覧、ダウンロード、通知が発せられた日から1週間経過のうち最も早い時点で送達の効力が生じます。届出義務があるのに届出をしていない場合は、閲覧、ダウンロード、または通知がなくても閲覧可能な措置が取られた日から1週間経過のうち、最も早い時点で効力が生じます。補助者アカウントで閲覧・ダウンロードした場合も、その時点から控訴期間が進行します。
法律事務所では、次の流れを一つの業務として整備することが重要です。
- システム送達の届出状況と、mintsの通知・事件情報を確認する
- 閲覧・ダウンロード日時を記録する
- 担当弁護士へ共有する
- 期限を計算・登録する
- 別の担当者が登録内容を確認する
- 提出済み・受領済みの資料を案件単位で保管する
民事裁判のデジタル化は、mintsの操作を覚えるだけで完了するものではありません。通知確認、期限管理、対応履歴、ファイル保管までを事務所内で一貫して管理できる体制を整えることが、日々の安全な運用につながります。
期日管理、案件管理、ファイル保管を一つの基盤で整えたい場合は、法律事務所向けクラウド業務管理システム「Armana」の無料デモを2週間お試しいただけます。実際の事務所の運用に合うか、画面を操作しながらご確認ください。
参考資料
以下はいずれも2026年8月28日時点で確認したものです。裁判所資料は随時更新されるため、ご利用の際は最新版をご確認ください。
- 民事裁判手続のデジタル化|裁判所
- 改正民訴法等で変わる民事訴訟手続の概要|裁判所
- 改正民訴法等に関する参考資料|裁判所
- 民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引|裁判所(令和8年6月19日更新版)
- 民事訴訟規則|裁判所
- 誤アップロードした場合の対応について|裁判所
- mintsについて|裁判所
- 日弁連新聞 第628号|日本弁護士連合会(2026年7月1日)
- 民事訴訟法等の一部を改正する法律の全面施行(民事訴訟デジタル化)についての会長声明|日本弁護士連合会(2026年5月21日)

執筆者
株式会社カイラステクノロジー
法律業界チーム
法律業界における実務や制度動向を踏まえ、法律事務所や士業事務所向けの情報発信を行っています。
法務関連業界の課題や運営実務に寄り添い、これまでの知見を活かした、実務に役立つ情報を提供します。

